-
太田神社(拝殿)〜海と信仰の歴史を感じるせたなの霊場
せたな町の日本海沿いにある太田神社は、北海道最古の歴史を持つ山岳霊場として知られています。太田海岸を押しつぶすようにそびえる太田山(標高483m)の中腹には本殿(太田山神社)が鎮座しており、断崖絶壁の中腹に社殿が建っていることで知られています。
古くからアイヌの人々は、この山を「オオタカモイ(山の霊神)」として崇め、山に向かって祈りを捧げていました。そこへ津軽から蝦夷地へ渡ってきた松前藩の祖・武田信広公が立ち寄り、人々が熱心に山を拝む姿を不思議に思い理由を尋ねたところ、「山の神が病や災いを防ぎ、船の安全を守ってくださる」と聞かされたといわれています。
信広公もまた、自らが無事に蝦夷地へ渡ることができたのはこの神の加護によるものだと信じ、山中の岩窟に祠を建て、「猿田彦大神」を祀ったことが太田神社の始まりと伝えられています。以来、海の安全を願う信仰の地として、多くの人々に受け継がれてきました。

本殿へ向かう参道は険しく、鉄の輪につかまりながら登る垂直に近い岩場などの難所が続きます。地元では太田神社へ参拝することを「おおやまかける」と呼び、古くから特別な参拝とされており、険しい道の先にある本殿へたどり着くと、身も心も洗われるような気持ちになるとも言われています。

現在は海岸沿いにある拝殿周辺からでも、その厳かな雰囲気を感じることができます。背後には切り立つ山肌、目の前には荒々しい日本海が広がり、独特の静けさと迫力があります。
周辺には、ここを訪れた幕末の探検家であり「北海道」の名付け親として知られる松浦武四郎の歌碑や、安政4年に設けられた北海道最古の灯台「定燈篭」(復元)も残されています。この定燈篭は、四方から見ると「太田山」と読めるよう造られているのも特徴です。
また、この近くの岬は「帆越しの岬」と呼ばれており、太田山に権現様が祀られてからは、この沖を通る船が帆を下ろして海上から拝んだことが名前の由来とされていて、海と信仰が深く結びついた土地の歴史を感じることができる場所です。
※本殿までの参道(山道)には、鎖場や岩場など危険な箇所があります。参拝を予定されている方は、事前に下記HPの注意事項を確認のうえ、十分注意して訪れてください。
基本情報
名称 太田神社(拝殿) 所在地 久遠郡せたな町大成区太田17 問合せ先 TEL:01398-4-5152(久遠神社) ホームページ http://setanavi.jp/news-detail.php?id=59 開催日・開催時間 御朱印は久遠神社にて受付(太田神社から車で約20分) アクセス <車利用> ・函館方面から約2時間半〜3時間 駐車場 あり(無料)